ヘッダーイメージ 本文へジャンプ











何でもお問い合わせ



不妊症「漢方周期療法」

不妊症と漢方周期療法 妊娠しやすい体をつくるには



妊娠は男性と女性が愛し合い結ばれることによって成り立つものです。しかし、現実は女性だけが悩んでいる場合が多いように感じます。パートナーである男性にもこのことを真剣に考えてもらい、ご夫婦揃って楽しくベビー誕生に取り組んで欲しいと思います。

不妊治療は、妊娠しやすい体をつくること・・・
「赤ちゃんが欲しい!」「なぜ、私は妊娠できないの?」と悩んでおられる女性は驚くほどたくさんいらっしゃいます。その原因は、女性にある場合、男性にある場合、そして両方にある場合、がありますので、不妊症の相談はなるべくご夫婦お二人でおいで下さい。漢方百草園薬局では、妊娠にいたりにくい原因を西洋医学とは異なった方向から見つけ出し、原因となるそれぞれの体質に対して、漢方薬・食生活を含めた日常の養生法などを活用して改善していきます。多くのご夫婦で徐々に体質が改善され、妊娠されています。また、中医学では不妊の治療だけでなく、月経痛・月経不順・子宮内膜症などの予防や改善にも役立ち、女性の健康づくりにも応用されています。まずは健康で丈夫な母体づくりから始めましょう。そして、元気な赤ちゃんの誕生を心からお祈りしています。

元気な赤ちゃんは、健康なお母さんから・・・
女性に原因がある場合、その原因を中医学的に考えて探し出し、まずは”健康なお母さん”づくりから始めます。健康なお母さんづくりの効果が出ているかどうかは、漢方百草園薬局では基礎体温表を活用しています。最適な漢方薬を選ぶ際にも参考になりますので、必ず付けるようにしましょう。
また、妊娠しやすい体づくりには、何よりも子宮内の体温を一定(理想は低温期の体温が36.5度程度)に保つことが大切になります。それによって、子宮や卵巣を含む骨盤内の血流がスムーズかつ一定になり、卵胞と卵子の発育が順調かつ良好で、適切な厚さで柔らかい子宮内膜の発育が望めます。このためには、体温より冷たい飲食物は控えめにし、足腰(下半身)を冷やさないよう短いスカートなどは避けるようにし、体の内外から冷やさないように注意しましょう。冷えると水が氷になるように、血液が冷えると”瘀血(おけつ:流れが悪くなって固まりやすく変化したベトベトした血液)”が生まれ、女性特有のトラブルのもとになります。

女性だけでなく、男性にも原因が・・・
不妊の原因は女性だけにあるとは限りません。男性側に原因がある場合も決して少なくありません。最近では、環境ホルモン・化学物質・紫外線・精神的ストレス・食生活を含む生活環境の乱れや自然環境の急速な変化、などが原因と考えられる精子数減少や性機能の低下が問題視されています。特にアルコールの過飲と精神的ストレスが精機能を低下させ、精子数減少や精子の運動能力低下に結びつくケースが多くみられます。アルコールの過飲による精子異常には、”肝臓の湿と熱”を除く漢方薬を、造精機能低下による精子数減少などには、鹿茸(鹿の幼角)などを中心に”腎”の働きを高める漢方薬を用いることによって体質改善をしていきます。








                    
       ネロリ(オレンジ花)    カモミール(ローマン)

 このページ(不妊症と漢方周期療法)の内容は・・・
  ①不妊の原因と検査について
  ②西洋医学でのステップアップ治療
  ③日本漢方と中医学「漢方周期療法」
  ④不妊症「漢方周期療法」とは?
  ⑤男性不妊と漢方薬
  ⑥健康な赤ちゃんを授かるための養生法
  ⑦妊娠中と産後の養生法
  ⑧赤ちゃん誕生の実例集

 漢方百草園薬局の得意な疾患は・・・
  ◇ 女性疾患:不妊症(男女共)、子宮や卵巣の疾患、更年期障害
  ◇ アレルギー疾患:アトピー性皮膚炎
  ◇ 痛みの疾患:膝関節症、坐骨神経痛
  ◇ メンタル疾患:自律神経失調症、軽度うつ病
  ◇ 生活習慣病:糖尿病、肝臓病
  ◇ ガン:各種ガン 
その他、便秘症、痔、耳鳴り・難聴、虚弱体質、太れない・胃腸虚弱、ニキビ・尋常性乾癬などの皮膚病、などです。

①不妊の原因と検査について

不妊症の原因で最近多くみられるのは、子宮内膜症性行為感染症男性のインポテンスの3つです。子宮内膜症は晩婚化&晩産化、性行為感染症は性の自由化、インポテンスはストレス社会というように、現代社会のありようを反映しているかのようです。
子宮内膜症の原因は今のところ不明ですが、妊娠・出産によって一時的に生理がなくなると、他の場所に飛んでいた内膜も増殖を起こさなくなり、治ってしまったり、病気の進行が止まります。ですから、若いうちに妊娠・出産を経験することがこの病気の予防法ともいえるのですが、最近はその逆に30代の結婚&出産が増加し、子宮内膜症が不妊原因の人が増えています。なお、晩婚化は子宮内膜症だけでなく、卵子の老化という問題にもつながっており、卵子の老化による排卵障害も大きな問題です。
一方、性行為感染症ですが、中でもクラミジアという微生物による性行為感染症が激増しています。クラミジア自体は抗生物質によって治療できますが、早期発見ができずに慢性化してしまうと、子宮頸管や子宮内膜・卵管・卵巣・腹腔の炎症が組織の破壊や癒着などを引き起こすことになり、ひいては不妊症を招きます。
さらにインポテンスの問題ですが、性欲がない・あっても勃起しない、などで悩んでいる20~30代の男性が増えています。これらの多くは精神的な問題が背景にあるもので、ストレスや働きすぎなどが関係しているようです。

  排卵障害 ・FSH(卵胞刺激ホルモン)分泌低下→脳下垂体の機能低下や脳下垂体を刺激する視床下部の働きが充分でないと、FSHの分泌が低下して排卵が起こりにくくなります。
・高プロラクチン血症(高PRL血症)→プロラクチンという乳汁分泌を促すホルモンが、血液中に過剰に分泌される状態を言います。プロラクチンには排卵を抑制する作用があります。
・多嚢胞性卵巣症候群(PCO、PCOS)→卵巣の表面が硬いために卵子が育たず、小さな嚢胞が沢山できて排卵しにくい状態を言います。
・早発卵巣不全→40歳未満で月経が無くなり、閉経後と同じホルモン状態になることを言います。
・黄体化非破裂卵胞症候群→卵巣内の卵胞が成熟するものの、排卵期になっても卵胞内の卵子が外に飛び出せない(排卵できない)状態を言います。
  卵管障害 ・卵管閉塞→卵管の役目は、精子の通路としての働きや、受精卵を子宮に導く働きがあります。卵管が閉塞すると、精子や受精卵が移動することができません。卵管閉塞には、片側または両側が詰まっている場合と卵管の通りが悪い場合があります。最近では、クラミジア感染症による卵管炎から卵管の癒着や閉塞を起こすケースが多くみられます。
・卵管周囲の癒着→腹部の手術や腹膜炎や子宮内膜症で、卵管のまわりに癒着が起こることがあります。
・卵管采のピックアップ障害→卵管采の形や位置が悪いため、あるいは癒着があるなどのため、排卵した卵子を卵管に取り込む(ピックアップ)ことができなくなります。
  子宮内膜症 子宮内膜と同じ組織が何らかの原因で、卵管や卵巣・腹膜・膀胱・膣・直腸など子宮内腔以外の部位に飛び火し、そこで本家の子宮内膜と同じサイクルで増殖と剥離を繰り返す病気で、進行すると不妊症の原因になります。この組織は、子宮内膜と同じように月経のたびにそれぞれの部位で出血を起こします。
腹膜にできた場合は強い月経痛が、直腸にできた場合は月経時に下痢や血便が、膀胱にできた場合は月経時の血尿が、卵巣にできた場合はチョコレート嚢腫と呼ばれチョコレートのような液体がたまった嚢腫ができ強い月経痛が、子宮の筋肉にできた場合(子宮腺筋症)は子宮全体が硬く腫れて強い月経痛が、それぞれ起こりやすくなります。
子宮内膜症が卵巣にできた場合は排卵障害が起こりやすくなり、また出血が繰り返されることで卵巣や卵管周辺に癒着が起こり、卵管の閉塞も起こしやすくなります。
さらに癒着がひどくなると、子宮・卵管・卵巣など骨盤内の組織がひとかたまりになり、骨盤壁ともくっついて「凍りついた骨盤」と呼ばれる状態になり、排卵・受精・受精卵の着床などの妨げになり不妊の原因になります。
  子宮頸管の
   精子通過障害
・子宮頸管粘液の状態が良くない→排卵時期に、頸管粘液の分泌量が少ないか、粘液の粘度が低いと、精子が頸管を通過して子宮に侵入しにくくなります。
・抗精子抗体→精子は女性の体にとっては異物ですが、通常では抗体反応が起こりません。ところが抗体ができている女性では、精子を異物としてとらえるため、子宮頸管でシャットアウトしてしまいます。
  着床障害 ・子宮筋腫→子宮筋腫の発症する部位や大きさによっては、受精卵の着床を妨げることがあります。
・子宮腺筋症→子宮の筋肉にできた子宮内膜症を言い、子宮内膜の筋肉が硬く腫れた状態になりやすく、受精卵の着床の妨げになります。
・子宮奇形→子宮胞の形態異常で、いくつかの種類があります。受精卵の着床障害や流産などの原因になります。
・子宮内膜ポリープ→子宮内膜の一部が増殖してできた良性の腫瘍で、着床障害を招くことがあります。
・黄体機能不全→黄体ホルモンの分泌が不充分な状態で、排卵後に子宮内膜が厚くなりにくいため、着床障害を招くことがあります。
  男性不妊 下表に精液検査の基準値と異常値を記しておきましたが、検査日に全ての項目をクリアーしていても、その後の体調など様々な条件によって精子の状態が変化することもあります。
また、特に奥様が妊娠しにくい体質や疾患がある場合は、男性が日頃から精子を”強化”して、奥様の分をカバーするくらいの気持ちが必要になります。このお互いを思いやる気持ちが、妊娠という喜びにつながりますし、実際当店でも奥様だけが漢方薬を服用するよりも、お二人で服用される方が妊娠にいたる確率が高いように思います。
男性不妊の原因は、①造精機能障害 ②精路通過障害 ③精機能障害 ④精子機能障害の4つに分類されますが、造精機能障害が80~90%を占めています。
①造精機能障害は名前の通り、精子を製造する機能に問題があります。精子の状態によって、乏精子症・非閉塞性無精子症・精子無力症・精子奇形症の4つがあります。
②精路通過障害は、精子の通り道である精管が生まれつきあるいは炎症などによって詰まっている状態を言い、全体の5~10%を占めます。
③精機能障害は、勃起障害(ED)や射精障害や性欲の低下などがあります。勃起障害には、心理的な機能性EDと勃起に関わる組織に問題のある気質性ED、両方に問題のある混合型EDがあります。バイアグラなどが効く場合もありますが、心理的な要因が大きいので、カウンセリングや性生活の環境づくりが大切になります。
④精子機能障害は、精子を製造する機能には問題がないが、炎症や免疫反応により精子の機能が低下している状態を言います。精巣や前立腺の慢性炎症や抗精子抗体などの免疫異常が含まれます。
  基準値 異常値
精液量 2.0ml以上 2.0ml未満 無精液症
ゼロ 逆行射精
pH値 7.2~8.0 7.2以下 無精子症
閉塞性無精子症
慢性附属腺炎
先天性精管欠損症
8.0以上 附属腺の急性感染
急性精巣上体炎
精子濃度 2000万/ml
~2億/ml
全くなし 無精子症
2000万/ml未満 乏精子症
2億/ml以上 精子過多症
精子総数 4000万以上 4000万未満 乏精子症
精子運動率 直進運動精子 50%以上 50%未満 精子無力症
高速直進運動精子 25%以上 25%未満
正常形態精子 30%以上 30%未満 奇形精子症
白血球 100万/ml未満 100万/ml以上 膿精症
液化時間 30分以内 60分以上 精子不液化
最初から液状 精子不凝固
生存率 75%以上 75%未満 精子死滅症
抗精子抗体 陰性 陽性
  不妊の検査 西洋医学でも東洋医学でも、不妊の原因を知ることは大切です。
・基本的な検査→基礎体温、ホルモン検査、子宮卵管造影検査、卵管通気検査、フーナーテスト、内診検査、などがあります。
・精密な検査→子宮鏡検査、腹腔鏡検査、ホルモン負荷検査、子宮内膜組織検査、抗精子抗体、などがあります。
・排卵時期を知る検査→頸管粘液検査、尿中あるいは血中LH検査、超音波による卵胞径の計測、などがあります。
・男性の検査→精液検査、尿検査、性器の検査、などがあります。精液検査の結果が悪い人は、泌尿器科で精密検査(精巣組織検査、精管レントゲン検査、逆行性射精の検査、ホルモン検査、精索静脈瘤の検査、精液培養検査など)を行ないます。

                                      
                               マージョラム        グレープフルーツ

②西洋医学でのステップアップ治療

  治療のステップ 原因に対する治療を行い、妊娠にいたるまでステップアップしていきます。
ステップ1→原因の治療とタイミング療法を行います。
ステップ2→タイミング療法を行なって、約1経っても妊娠にいたらない場合は人工授精を勧められます。
ステップ3→両方の卵管が閉塞している場合や抗精子抗体がある場合は、体外受精や人工授精を勧められます。重症の子宮内膜症の場合にも、早い時期に体外受精や人工授精を勧められます。人工授精を数回以上繰り返しても妊娠にいたらない場合は、体外受精を勧められます。
ステップ4→重症の乏精子症や精子無力症、あるいは体外受精でも妊娠にいたらない場合は顕微授精を勧められます。
  主な治療法 排卵しにくい原因がはっきり分らなくても、あるいはその原因を根本的に治療できなくても、何とか排卵を起こして妊娠にいたるようにすることを目的に排卵誘発剤を用いる治療法が中心になります。
・クロミフェン療法→卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促進することによって排卵を誘発する方法で、通常は月経開始5日目から5日間、排卵障害の程度に合わせて1日1~3錠を服用します。(具体的に用いられる薬品名は、クロミッド・セロフェン・セキソビットなどです。)
・hMG-hCG療法(注射薬によるゴナドトロピン療法)→クロミフェン療法では排卵が起こりにくい場合(クロミフェン療法を5~6周期行なっても妊娠にいたらない場合)、あるいはクロミフェン療法と平行して用いられる方法で、hMG(ヒト閉経ゴナドトロピン、卵胞を発育させるFSH作用を持っています)に続けてhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン、成熟卵胞を破裂させて排卵を起こしたり、黄体を刺激したりするLH作用を持っています)を注射する方法を言います。一般的には、月経開始3~5日目から1~2週間、hMG製剤を毎日注射して、卵胞の発育を促します。経膣超音波検査で何度もモニターし、卵胞が十分成長したのを確認したら、排卵を起こす目的でhCG製剤を注射します。通常、この注射から36~48時間以内に排卵が起こります。
クロミフェン療法では、まれに頭痛や吐き気が起こることがあります。また、子宮内膜が薄くなったり、頸管粘液が減少する場合もあります。hMG-hCG療法では、卵巣が強い刺激を受けたために、卵巣過剰刺激症候群が起こったり、また多胎妊娠の可能性があります。

                  
           パルマローザ         レモン

③日本漢方と中医学「漢方周期療法」

漢方の源は中国ですが、歴史的経過から2つに分かれて、日本漢方と中医学があります。
どちらの漢方治療でも、「排卵誘発効果のある漢方薬のうち、体質に合ったものを服用することが原則」「漢方薬を併用することで、ゴナドトロピン製剤の使用量を減らすことが可能」「不定愁訴も同時に改善できる”副作用”を期待できる」という部分は共通しています。

  日本漢方での
   漢方治療
日本漢方では、陰陽論・五行論・気血水論などの理論を基本にして、体質や体調などから「証(薬を決めるための物差しになるもの)」を見極め、その「証」にのっとった漢方治療を行います。この方法は月経周期と関係なく、実証なら桂枝茯苓丸・桃核承気湯など、虚証なら当帰芍薬散・温経湯・加味逍遥散など、多くの処方が用いられ、妊娠しやすい体質をつくっていきます。臨床では、温経湯には脳からのゴナドトロピン分泌を促進して排卵を促す作用が、加味逍遥散や当帰芍薬散には卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌量を増やす作用が、芍薬甘草湯には多嚢胞性卵巣症候群や高プロラクチン血症による排卵障害や早発月経に有効だと報告されています。
軽度の男性不妊に対しても、造精機能を高める目的で、漢方薬が用いられています。補中益気湯には精子の運動率を改善する効果が、八味地黄丸には精子の数を増やす効果が、桂枝茯苓丸には精索静脈瘤を改善する作用があると言われています。
  中医学を用いた
   「漢方周期療法」
中医学(中国の伝統医学)と西洋医学の長所を取り入れた「中西医結合医療」として、中国では不妊治療の場に積極的に導入されており、日本でも最近普及しつつあります。基礎体温を付けながら、月経周期(月経期・卵胞期・排卵期・黄体期)に応じて漢方薬を服み分けていく、これが不妊症に対する「漢方周期療法」です。従来の漢方治療よりも妊娠率を高めようとする新しい治療法です。詳しくは次の④不妊症「漢方周期療法」とは?をご覧下さい。
また、「漢方周期療法」ではありませんが、中医学による「弁証論治」を用いた不妊症漢方治療法があります。少し専門的になりますが、虚証(腎陽虚・腎陰虚・気血両虚)と実証(肝鬱・痰湿・湿熱・血瘀)に分類されている治療法で、「漢方周期療法」と併用した方が良い結果が得られる場合もあります。腎陽虚には毓麟珠、腎陰虚には養精種玉湯、気血両虚には十全大補湯や人参養栄湯、肝鬱には開鬱種玉湯、痰湿には啓宮丸、湿熱には清熱調血湯、血瘀には少腹逐瘀湯、などが用いられます。

                                        
                              ゼラニウム           ラバンサラ

④不妊症「漢方周期療法」とは?

  「漢方周期療法」
      の基本
中医学では、不妊の主な原因を「腎虚」と捉えていますので、体のエネルギー生産力と生殖力(妊娠力)を高める「補腎」という漢方治療を中心に行ないます。「腎虚」では、卵胞の成長発育に問題がある場合が多いことから、治療は卵胞を育てることを重視し、またホルモン系統を中心に体調を整えることによって、月経痛・月経不順・子宮内膜症などの改善も同時に行なうことが可能になります。ここで言う「腎」とは、ホルモン系統・免疫能・エネルギー生産力・生殖力、などを指しています。
さて月経周期は、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期の4つの周期に分けられますが、それぞれの期において分泌されるホルモンの種類や量も異なりますし、体温も大きく変動します。そこで「漢方周期療法」では、それぞれの期に合わせて複数の漢方薬を使い分けるのです。用いる漢方薬は、その人の体質や体調などから見極めた「証」や中医学による「弁証論治」を基本に、基礎体温を参考にしながら決めていきます。
こうしてそれぞれの期ごとにその人に適した漢方薬を服み分けていくうちに、基礎体温表が徐々に整ってきます。治療による体の変化が、基礎体温表のカーブに如実に表れてくるのです。つまり、より妊娠しやすい体になっていくわけで、「漢方周期療法」ではこの状態を目指して治療を続けていくのです。また、不妊専門クリニックなどの医療機関で、ホルモン療法(卵巣刺激)や体外受精などの不妊治療を受けながら、「漢方周期療法」を行なっている人も少なくありません。
  4つの”期”と
    主な漢方薬

◆月経期→これまでの主要な内膜層を全てきれいにはがし溶かして、月経血として体外に排出する時期です。次の周期の新しい子宮内膜を再生するために、赤ちゃんが宿る部屋の大掃除をします。漢方薬は、血行を促進する活血薬と、子宮の筋肉や血管の運動のリズムをスムーズにする理気薬を服用します。(五味調経散、温経湯、少腹逐瘀湯、血府逐瘀湯、逍遥散、冠心Ⅱ号方、冠元顆粒、折衝飲、田七人参など)
◆卵胞期(低温期)→卵巣内では通常1個の卵胞(主席卵胞)が成熟し、子宮内膜は粘膜層を再生と増殖を始めます。子宮と卵巣に栄養とホルモンを十分に供給することが大切です。漢方薬は、卵胞の成熟と子宮内膜の再生と増殖を助けるために、補血薬と滋陰薬を服用します。(滋陰養血湯、六味地黄丸、杞菊地黄丸、婦宝当帰膠(当帰養血膏)、四物湯、マカ、鼈甲、紫荷車など)
◆排卵期→卵巣内の成熟卵胞から卵子が腹腔内に飛び出し、卵管采に捕えられ卵管の中へと入っていきます。卵子が飛び出したあとの卵胞は、黄体という組織に変化し、黄体ホルモンを分泌して黄体期(高温期)へと移行します。漢方薬は、ホルモン分泌の連携をスムーズにし(卵胞ホルモンから黄体ホルモンへ)、確実に排卵そして黄体化へとつなげるために、活血薬と理気薬を服用します。(活血排卵湯、逍遥散、参茸補血丸、冠心Ⅱ号方、冠元顆粒など)
◆黄体期(高温期)→受精卵を着床・養育できるように準備を整えます。黄体ホルモンの作用で、子宮内膜へ栄養と多量の血液が送り込まれ、受精卵のための”温かいフワフワベッド”を作ります。漢方薬は、安定した高温期の維持を助けるために、補陽薬と補気血薬を服用します。(補腎助孕湯、右帰丸、参茸補血丸、至宝三鞭丸、海馬補腎丸、十全大補湯、マカ、紫荷車、鹿茸製剤など)
上記の各”期”に用いる漢方薬は、月経の様子・排卵前後のおりものの様子・基礎体温・婦人科特有の症状と全身の体質、などをきちんと判断した上で選択することが大切になります。
  「漢方周期療法」
   7,5,3奇数律
   について
「漢方周期療法」では、月経周期を月経期・卵胞期・排卵期・黄体期の4つの”期”に分けて複数の漢方薬を使い分けていきますが、各”期”の日数には一定の規律があると考えられています。この規律は、中国で「漢方周期療法」の第一人者といわれる南京中医薬大学の夏桂成教授が長年の経験から見つけ出した法則で、「7、5、3奇数律」と呼ばれています。夏桂成教授の経験によると、月経期と排卵期の日数は対応しており、7日・5日・3日の奇数のリズムになるというものです。つまり、月経期が7日の人は排卵期が5~7日、月経期が5日の人は排卵期が3~5日、月経期が3日の人は排卵期が3日、というふうに月経期と排卵期の日数が対応しているということです。卵胞期は9日・7日・5日などの奇数の日数、黄体期は14日・12日・10日などの偶数の日数になることが原則になります。
また、月経期と排卵期の状況(月経血とおりものの量・色・質・期間)は、「漢方周期療法」を行なう上で、あるいはその効果を判断する上で大切な指標になります。月経血の量は2~3日目にピークになり、色は淡紅~紅色で血塊はなくサラサラしていると理想的です。月経血の量が以前より減ったり、日数が短くなってきたり、色が淡白になってきた場合は、子宮内膜が薄く黄体ホルモンの分泌が悪い可能性があります。おりものにつきましては、排卵前後には透明で光沢のある卵の白身のようなおりものが増えてくることが大切です。このような排卵前後特有のおりものが少ない場合は、エストロゲン(卵胞ホルモン)が低く、卵子の質があまり良くない可能性があります。
「漢方周期療法」を行なうことによって、月経量や排卵前後のおりものの量が増えてくると、妊娠しやすい体質に近づいていると判断することができます。
  基礎体温表の
    8つの型
「漢方周期療法」を行なう場合は、それぞれの”期”の体温の様子やホルモン(主に卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の特徴によって漢方薬を使い分けていきますので、基礎体温から得られる情報はとても大切になります。
よくみられる基礎体温の型は、下記のように正常型を含めて8つの型に分類することができます。もちろん2~3の型を合わせたもった混合型の基礎体温を示す場合もあります。8つの型に少し解説を加えてみます。

①は正常型(二層性で一番妊娠しやすいタイプ)で、綺麗な二層性を示しています。黄体期(高温期)が12~14日間持続する・卵胞期(低温期)と黄体期(高温期)の差が0.3~0.5℃ある・低温から高温への移行が1~2日以内、という3つの条件が揃った理想の型です。正常型に近い基礎体温でもなかなか妊娠できない場合は、基本的な「漢方周期療法」を行ないます。
②のダラダラ型(二層性だがゆっくり高温になるタイプ)は、低温期から高温期への上がり方がダラダラしており、排卵日が判りにくい型です。不妊症の方に比較的多くみられます。西洋医学では、黄体機能不全・排卵障害・高プロラクチン血症などが考えられます。
③の凸状型(高温期の両側、前後が低いタイプ)、④の凹状型(高温期に低温期が混じるタイプ)、⑤の階段状型(高温期に一段一段のぼるタイプ)は、いずれの型も高温期に凹凸があり、潜在的にプロラクチン(排卵を抑制するホルモン)が高い方が多く、妊娠しにくく、流産しやすい傾向があります。また、ストレスが多く、心身が不安定な方にもよくみられます。
⑥の高温期低温型(高温期の体温が低いタイプ)は、高温期と低温期の温度差が少なく、⑦の高温期短期型(高温期が短いタイプ)は、排卵無しまたは排卵有りの2タイプがあり、いずれの型も黄体ホルモンの分泌に問題があり、妊娠しにくいと考えられます。
⑧無排卵型(高温期を形成しないタイプ)は、無排卵ですので「漢方周期療法」を行なうことが難しく、まず体質から改善する必要があります。
①型以外は何らかの問題があるといえます。基礎体温が全体的に低い方は、体を温める漢方薬を主に用いる必要があり、全体的に高すぎる方は、体の不要な熱を冷ます漢方薬を主に用いる必要があります。また、全体的に凹凸が激しい方や高温期後半に乳房の強い脹痛を感じる方は、ストレスがたまっていたりプロラクチンの値が高い場合が多くみられます。
  西洋薬(主に
   ホルモン剤)と
   の併用について
当店で「漢方周期療法」を希望して来店されるお客様の中で、6~7割の方は婦人科を受診しておられ、病院の薬と漢方薬を併用しておられます。ここでは主に、このページの②西洋医学でのステップアップ治療で記しましたクロミフェン療法hMG-hCG療法と西洋薬の併用についてお話しします。黄体ホルモン製剤カウフマン療法についても少し触れておきます。
クロミフェン療法(クロミッド・セロフェン・セキソビットなどが用いられます。)は、排卵が遅れる・一定しない、などが原因でタイミングが合わないために妊娠しにくい方には一定の効果があります。しかし、子宮内膜が薄くなる・排卵前後の頸管粘液が減少する、などの副作用があります。場合によっては、6ヶ月以上連続して使用すると、むしろ妊娠率が低下するとも言われています。クロミフェン療法を受けておられる方には、滋陰養血(血液を含む体に必要かつ有益な潤いを増やす)作用をもつ漢方薬(婦宝当帰膠(当帰養血膏)、杞菊地黄丸、鼈甲、紫荷車など)を併用することで、副作用を軽減して妊娠率を高める方法を用います。
hMG-hCG療法は、直接卵巣を刺激して排卵を誘発する方法なので効果は高いですが、卵巣の過剰刺激による卵巣の腫れ・血栓ができる、といった副作用が起こる可能性があります。hMG-hCG療法を受けておられる方には、活血化瘀化痰(体に不必要で有害なドロドロ血液を含む液体成分を除く)作用をもつ漢方薬(冠心Ⅱ号方、冠元顆粒、血府逐瘀湯、芎帰調血飲第一加減、爽月宝など)を併用することで、ある程度副作用を未然に防ぐ(軽減する)ことが可能になります。このような副作用がなければ、「漢方周期療法」とhMG-hCG療法の相性は良く、排卵障害がある方の妊娠率を高めることができます。
黄体ホルモン製剤(ルトラール、デュファストンなど)は、主に黄体機能不全の場合に高温期に用いられますが、ホルモンを補充しているだけなので根本的な解決にはなりません。また、ホルモン剤の影響で月経になっても基礎体温が下がりきらないことが多いので、月経期に上記の”体に不必要で有害なドロドロ血液を含む液体成分”を除く作用をもつ漢方薬を用い、充分に月経血を排泄することで、次の周期への悪影響を避けるようにします。
カウフマン療法(卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を用いることで、脳の下垂体を刺激し、排卵を起こす方法)は、先天性の無月経や月経不順、あるいは排卵誘発剤の使いすぎによる卵巣の衰えから排卵誘発剤を用いても卵巣が反応しなくなった場合に卵巣を休める、といった場合に行ないます。カウフマン療法を行う場合は、排卵が起こらないので、「漢方周期療法」は適していません。カウフマン療法が終了した次の周期には、排卵が起こる可能性があり、その際には「漢方周期療法」を併用すると大変効果的です。
また、ホルモン剤を用いると子宮内膜がデコボコになるとも言われています。養血活血(骨盤内を循環する血液を増やして、血行を良くする)作用をもつ漢方薬をうまく用いることによって、子宮内膜が改善されていきますので、ホルモン剤を服用している場合に漢方薬を併用することには大きな意味があると考えられます。上記以外にも様々なケースがありますが、西洋薬と漢方薬は上手に併用することによって、大変良い効果が得られることが多くみられます。
  妊娠を妨げる
   婦人病と
  「漢方周期療法」
ここでは、①子宮筋腫 ②子宮内膜症 ③多嚢胞性卵巣症候群(PCO、PCOS) ④高プロラクチン血症(高PRL血症) ⑤免疫性不妊 ⑥卵管の狭窄や閉塞 ⑦月経周期が不安定な場合、といった妊娠を妨げる可能性のある7つの疾患と「漢方周期療法」について記しておきます。このページの①不妊の原因と検査についても参考にして下さい。
①子宮筋腫~子宮体部の筋層にできる良性腫瘍(コブ)で、30代・40代の女性だけでなく、20代でもなる人がいます。子宮筋腫は、できる場所によって大きく3つ(子宮内部へ出っ張る筋腫、子宮外部に出っ張る筋腫・子宮筋層内で膨らむ筋腫)に分けられます。子宮筋腫のできる場所によっては、受精卵の着床の妨げになったり、子宮の変形が問題になることがあります。子宮筋腫のサイズがあまりにも大きい場合は、手術を考える必要があります。サイズが鶏卵大までなら、漢方薬で筋腫が小さくなったり無くなるケースがあります。それよりも大きい場合でも、サイズが小さくなるケースがありますので、漢方薬を服用してみる価値はあります。「漢方周期療法」を行なう場合は、全"期"に活血化瘀(体に不必要で有害なドロドロ血液を除く)作用のある漢方薬を併用すると効果が上がることが多くみられます。
②子宮内膜症~本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜組織が、何らかの原因で他の場所(卵管、卵巣、子宮筋層や外膜、直腸、ダグラス窩など)に飛び火し、そこで本家の子宮内膜と同じサイクルで増殖と剥離を繰り返す病気で、進行すると不妊症の原因になります。特に、血管やリンパ管を通じて卵巣に根づきやすく、古い月経血が卵巣内にたまってチョコレート状(チョコレート嚢腫)になり、卵巣が大きく腫れて、排卵障害を起こしやすくなります。また、子宮筋層に飛び火した場合(子宮腺筋症)は、着床障害を起こしやすくなります。
子宮内膜症の症状としては月経痛が有名ですが、無症状の方も多く、検査をして初めて子宮内膜症がわかったというケースも多くみられます。無症状でも子宮内膜症が進行している場合もあり、重度になると上記のように、着床障害や排卵障害が問題となります。近年、子宮内膜症は不妊症の原因として重視されてきており、原因不明の不妊症の方の約半数が子宮内膜症を合併しているという報告もあります。中医学では、子宮内膜症を瘀血(古びた血液や滞った血液))と考えています。重度の場合を除けば、子宮内膜症に対して漢方薬はとても効果的です。「漢方周期療法」を行なう場合は、月経期から排卵期に活血化瘀化痰(体に不必要で有害なドロドロ血液を含む液体成分を除く)作用をもつ漢方薬を併用すると効果が上がることが多くみられます。
③多嚢胞性卵巣症候群(PCO、PCOS)~卵巣内の卵胞が、ある程度までしか育たない(成熟卵胞まで育たない)ため、排卵しないので、卵巣の皮が段々厚く硬くなり、ますます排卵きない状態になります。超音波検査をすると、卵巣には沢山の小さな卵胞が、まるで真珠のネックレスのように見えるので、ネックレスサインとも呼ばれます。排卵障害の一種です。血液検査では、LH値が高い・男性ホルモン値が高い・インスリン抵抗性、などがみられます。中医学では、卵巣のまわりに瘀血(ドロドロ血液)や痰湿(血液以外のドロドロ液体成分)がこびり付き、卵巣膜が硬くなった病態と考えます。軽度の場合は、活血薬(ドロドロ血液を除く漢方薬)と化痰薬(血液以外のドロドロ液体成分除く漢方薬)を配合した「漢方周期療法」が効果的です。中程度から重度では、排卵障害が顕著になり、ひどい場合は無排卵になります。この場合は、クロミフェン療法やhMG-hCG療法などと平行しながら、月経期から低温期に活血化痰薬(体に不必要で有害なドロドロ血液を含む液体成分を除く漢方薬)を用いたり、必要に応じて補腎薬(子宮や卵巣の働きを助けたり、天然のホルモンを補充する漢方薬)を用います。
④高プロラクチン血症(高PRL血症)~妊娠していないにもかかわらず、プロラクチン(女性ホルモンの一種)が過剰に分泌されることがあり、これを高プロラクチン血症といいます。高プロラクチン血症の問題点は、視床下部の刺激ホルモンを抑制して、月経や排卵を抑えてしまうことにあり、受精卵の着床に影響を与えることもあります。症状としては、乳汁の分泌があったり、胸が脹ります。一方、検査で異常がなく、乳汁の分泌もないのに、ストレスがあった時などにプロラクチンが高くなる潜在性高プロラクチン血症もあり、同じように不妊症の原因になります。潜在性高プロラクチン血症は、TRHテストという負荷テストでわかります。漢方薬では、炒麦芽や芍薬甘草湯にプロラクチンを低下させる作用が知られており、月経期以外の”期”に服用していただきます。西洋薬(テルロン、パーロデル、カバサールなど)に比べると、プロラクチンを低下させる力は弱いですが、副作用がなく安全です。
⑤免疫性不妊~ここでは3つのタイプを紹介します。
・抗精子抗体~精子に対する特殊な抗体で、これが女性の血液中にあると、子宮頸管で精子をシャットアウトしてしまします。男性の精液中に抗精子抗体があることもありますので、夫婦ともに治療が必要な場合があります。漢方薬は、「漢方周期療法」の上に、体質に合った免疫調整薬を併用します。
・抗リン脂質抗体(自己免疫疾患に伴う習慣流産)~血小板や血管壁に作用し、血栓や血管収縮を引き起こす抗体で、胎盤や子宮内膜の着床部位に起こると流産を誘発します。西洋医学では、血液凝固能を延長させて血栓を予防する療法(低用量アスピリン療法、低用量ヘパリン療法、ステロイド療法)が行われます。漢方薬は、「漢方周期療法」の上に、冠心Ⅱ号方・冠元顆粒・田七人参などの活血薬(ドロドロ血液を除く漢方薬)を併用すると効果的です。
・夫婦リンパ球の類似(夫婦間同種免疫に伴う習慣流産)~夫婦間において、類似したHLA抗原(ヒト組織適合抗原)を有していたり、母体-胎児間にもHLAの類似性が高い場合、母体が胎児を認識することが難しく、速やかに遮断抗体(正常妊娠において、母体が胎児に対して拒絶反応を引き起こさないように、母体が産生する特殊な抗体)を産生しないために、流産を引き起こすと言われています。西洋医学では、妊娠前にあらかじめ夫リンパ球を移植し、実際の妊娠の際に速やかな遮断抗体の産生を期待するリンパ球療法が行われます。漢方薬では、「漢方周期療法」の上に、体質に合った免疫調整薬を併用します。
⑥卵管の狭窄や閉塞~卵管障害につきましては、このページの①不妊の原因と検査についてにも記しましたが、原因として多いのはクラミジアなどの感染症と子宮内膜症です。卵管は鉛筆の芯ほどの細い器官なので、ダメージを受けやすく、炎症や癒着がひどければ、手術などにより癒着部分を取り除くか卵管を通す手術(卵管形成術)を行なうことで妊娠が可能になります。左右両方が完全に閉塞している場合は、体外で受精させた受精卵を直接子宮に戻す方法を行ないます。漢方薬は、体外受精の妊娠率と着床率を高めることを目的とする「漢方周期療法」を行ないます。癒着の程度が軽ければ、漢方薬が効果的です。月経期から低温期(卵胞発育期)に活血薬を配合して癒着を軽減し、排卵期にはさらに強力な活血通絡(細い管の通りをよくする)作用をもつ漢方薬を加味すると良い効果があります。
⑦月経周期が不安定な場合~無月経や月経周期があまりにも不規則な方は、「漢方周期療法」を行なう前に月経周期を調節するようにします。月経周期を調節する場合は、体質や症状によりさまざまな漢方薬を用いますが、養血調経薬(血液を増やしながら月経を整える漢方薬)を中心に考えます。養血調経作用のある漢方薬を服用しているうちに妊娠される方もおられますが、2~6周期服用して月経が整っても妊娠しない場合は、「漢方周期療法」に移るようにします。月経周期を調節する漢方薬で基礎づくりができると、「漢方周期療法」で良い結果が得られる場合が多くみられます。
  「漢方周期療法」
      のQ&A
Q1 「漢方周期療法」を受けたいのですが、費用はどれくらいかかりますか?
  「漢方周期療法」は、異なった漢方薬を通常4つの”期”に分けて服用していただくことになります。費用は、1ヶ月分(あるいは1周期分)で15000円~35000円程度をお考え下さい。なお、ホルモン療法(卵巣刺激)を長期間行なっておられる場合や特殊なケース(子宮内膜症・子宮筋腫・高プロラクチン血症・多嚢胞性卵巣症候群・免疫性不妊など)では、さらにアップする可能性があります。
※費用面に関しましては、お客様がお考えの予算内で、最適な漢方療法を提案させていただきますよう努力していますのでご安心下さい。
Q2 「漢方周期療法」を始めたいのですが、いつから開始したらよいのですか?
  いつから(どの”期”から)でも開始できます。  
Q3 漢方薬の副作用はありませんか?
  「漢方周期療法」は、健康な体をつくることが主目的ですので、副作用はありません。成熟した良好な卵子と元気な精子がめぐり合い、そして温かく豊かな土壌(子宮)で赤ちゃんが安心して成育できますよう、その環境を整えるのが「漢方周期療法」です。
Q4 漢方薬を服用している間に妊娠しても胎児に影響はありませんか?
  大丈夫です。マイナスの影響はありません。妊娠が判れば、安胎(胎児の成育を助け、流産を予防する)薬として有効な漢方薬があるくらいです。「漢方周期療法」に用いる漢方薬も、全く心配ありません。
Q5 不妊クリニック(婦人科)に通院中ですが、病院の薬と併用できますか?
  もちろん併用できます。多くのお客様が、病院の不妊治療を受けながら漢方薬を希望して来店されるか、あるいは過去に受けたことがあるようです。
Q6 体外受精か顕微授精を受けようと思っていますが、漢方薬を服用することでプラス面はあるのでしょうか?
  漢方薬を服用することで、男性は精子が増え元気になる効果が、女性には良好な卵子を育てて母体(子宮)を良好な状態に整える効果がありますので、体外受精や顕微授精の成功率が高まります。さらに母体もしっかりして安産につながります。 
Q7 妊娠にいたるまでどれくらいの期間が必要ですか?
  最短で1ヶ月、長い人では2~3年かかるお客様もおられます。個人差がありますので一概には言えませんが、3ヶ月・6ヶ月・1年を目途にお考えになるとよいかと思います。
Q8 住まいが遠方なのですが、どうすればよいのでしょうか?
  遠方のお客様は多くおられます。できれば初回だけでもご来店下さり、きちんと体質の判断をさせていただきたいと思います。ご来店が無理なお客様の場合は、お電話でご様子を詳しくお聞きいたしますのでご安心下さい。いずれの場合も、基礎体温表をつけておられる場合は、ファックスか郵送で拝見させていただくとありがたいです。

                    
         サイプレス           ヴェチパー

⑤男性不妊と漢方薬

西洋医学からみた男性不妊の原因精液検査の基準値と異常値につきましては、このページの①不妊の原因と検査について(男性不妊)に記してあります。
ここでは、男性不妊の概説男性不妊に効果のある漢方薬症状別の漢方治療法生活上の養生、の4つについて解説します。


男性不妊の概説
WHO(世界保健機関)によると、不妊症の原因は41%が女性のみ、24%が男性のみ、24%が男女ともあり、11%が原因不明、とあります。つまり男性に不妊症の原因のあるカップルが約4組に1組、男女ともに原因のあるカップルも約4組に1組、ということで約2組に1組は男性側に何らかの原因があると考えられます。近年では、ストレスの増加・運動不足・過労や睡眠不足・過度の飲酒・環境ホルモン・パソコン画面の見過ぎ、など精子の状態が悪くなる要素が増えてきていますし、実際に男性側に原因がある不妊症が激増していると言われています。
次に、その原因を4つに分けてみましょう。
1.性機能障害~インポテンス(ED),早漏、遺精、射精不能、逆行性射精など。
2.精液異常~精液減少症、無精液症、乏精子症、無精子症、精子無力症、奇形精子症、精子死滅症、膿精液(精液感染)症、抗精子抗体による免疫学的不妊など。
3.生殖器器質性疾患~先天性無睾丸症、睾丸発育不全、隠睾症、両性奇形、尿路奇形、耳下腺炎による睾丸萎縮、輸精管閉鎖など。
4.その他~精神抑鬱、偏食や栄養障害、頻繁に熱浴する、きついパンツや服装、アルコールの過飲やタバコの吸い過ぎ、長時間二輪車に乗る、性交渉過多、環境汚染、放射線や電磁波の影響、環境ホルモンなどの刺激、抗生物質や化学薬物の影響、などが考えられます。
男性不妊に効果のある漢方薬
男性不妊の原因は、①造精機能障害 ②精路通過障害 ③精機能障害 ④精子機能障害の4つに分類されますが、漢方薬は80~90%を占める造精機能障害に特に効果的です。
漢方薬で精子の状態を改善する(精子を増やす)には、植物由来の漢方薬だけでは効力が弱く、動物由来の漢方薬を用いる必要があります。
イーパオ
(蟻製剤)は精子を増やすために必要な亜鉛やアミノ酸が豊富に含まれ、海精宝は高級食材でもある魚鰾(魚の浮き袋)とマカを主薬としており造精機能を高める効果が優れています。参馬補腎丸鹿茸大補湯海馬補腎丸至宝三鞭丸・は鹿茸や海馬などを主薬としており、古くから強力な精力剤としても使用されています。いずれも体質に合えば大変効果的ですが、造精機能障害以外に大きな問題がある場合は、次のように適宜漢方薬を併用していただいています。心理的なインポテンス(ED)では、ストレスを和らげる漢方薬(抑肝散や柴胡加竜骨牡蠣湯など)を併用することによって効果を期待できます。精管が通りにくい場合や海綿体の血流障害または内蔵脂肪による圧迫がある場合は、瘀血を改善する冠元顆粒や田七人参などを併用することで効果が期待できます。前立腺や精巣に炎症や感染症がみられる場合は、竜胆瀉肝湯や五味消毒飲などを併用すると効果的です。抗精子抗体などの免疫異常がある場合は、玉屏風散やインターパンチなどの併用を考えます。男性不妊の約30%にみられる精索静脈瘤(中医学用語では精索静脈曲張と言います。精巣につながる精索静脈に瘤ができることによって、精巣に充分な血液が届かないために、造精機能に障害が及ぶ病気です。)がある場合は、香蘇散と桂枝茯苓丸を併用し、きついブリーフやジーパンを避けるようにします。胃腸虚弱や消化不良のために造精に必要な原料が不足しがちな方には、香砂六君子湯や十全大補湯を併用することで効果が上がります。
病院で用いられる西洋薬の中で、男性不妊に効果のあるものはほとんどありません。特に造精機能を高める薬はほとんどありませんので、漢方薬が最も効果的といえる分野です。
子宝相談・男性不妊でご相談の際には、なるだけご夫婦でご来店下さい。
症状別の漢方治療法
中医学(漢方医学)では、先天稟賦不足(先天的な虚弱体質)・慢性的な疲労や睡眠不足・持続的なストレス・過剰な性交渉・飲酒過度、などによって腎精異常(性ホルモン異常)となり、男性不妊を引き起こすと考えています。ここでは、6つのタイプの精液異常に対する漢方治療法を紹介します。(少し専門用語が混じりますが、ご了承下さい。)
1.精液不液化症~射精後、1時間以内に液化あるいは部分液化しない場合、精子の運動に悪影響が及び、男性不妊を引き起こすことがあります。中医学では、陰虚火旺型(のぼせ症タイプ)と陽虚凝滞型(冷え性タイプ)に分けられますが、前者の方が多くみられます。精液不液化・ほてり・寝汗・口乾・便秘などを伴う陰虚火旺型の方には、知柏地黄丸イーパオ(蟻製剤)・麦味地黄丸・冠元顆粒・血府逐瘀湯などを体質に合わせて用います。精液不液化・寒がり冷え性・腰膝無力などを伴う陽虚凝滞型の方には、参馬補腎丸冠元顆粒・参茸補血丸・海馬補腎丸・至宝三鞭丸・血府逐瘀湯などを体質に合わせて用います。
2.精液減少症~精液量または精子数が不足することが原因の不妊症で、1回の精液量が2ml以下、精子数が500~2000万/mlを言います。中医学では精冷症と呼んでおり、腎陽不足命門火衰による精室の温煦不能が原因と考えています。寒がり・四肢の冷え・小便清長・陽痿・早漏・性欲低下などを伴うことが多く、参馬補腎丸鹿茸大補湯海精宝・参茸補血丸・至宝三鞭丸・海馬補腎丸・五子衍宗丸などを体質に合わせて用います。
3.精子無力症~精子の活動力が低下することで、前進運動精子が50%以下または高速直進精子が25%以下を言います。中医学では腎湯虚に属し、ストレスや思慮過度・過剰な性交渉・飲酒過度などによって引き起こされると考えています。寒がり・腰膝酸軟・四肢冷え性・性欲低下などを伴うことが多く、参馬補腎丸鹿茸大補湯海精宝・参茸補血丸・至宝三鞭丸・海馬補腎丸・五子衍宗丸などを体質に合わせて用います。
4.奇形精子症~形態正常精子が30%以下を言います。中医学では肝腎不足に属し、過剰な性交渉・飲酒過度などによって腎精を生成できなくなり、精子異常を引き起こすと考えられています。ほてり・寝汗・腰膝酸軟・めまい・耳鳴りなどを伴うことが多く、杞菊地黄丸海精宝・麦味地黄丸・知柏地黄丸・五子衍宗丸などを体質に合わせて用います。
5.膿精液(精液感染)症~精液の白血球数が100万個/ml以上で、前立腺液にクラミジアまたはマイコプラズマ陽性がしばしばみられます。泌尿生殖器炎症疾患や前立腺炎・睾丸炎・副睾丸炎・精嚢炎などと関連性があります。中医学では、不潔性交渉・不潔飲食・過食肥甘厚味・湿熱内生・流注下焦などによって発症すると考えています。陰部墜脹感・排尿痛・排尿不利などを伴うことが多く、竜胆瀉肝湯五行草茶・知柏地黄丸・白花蛇舌草などを体質に合わせて用います。
6.抗精子抗体(免疫学的不妊)症~精液や血液検査で、抗精子抗体陽性がみられます。原因は不明で、輸精管障害や前立腺炎・睾丸炎・副睾丸炎・精嚢炎などと関連性があると考えられています。熱がり・のぼせ・排尿痛・尿色黄赤などを伴うこともありますが、特に何も無い場合もあり、竜胆瀉肝湯五行草茶・知柏地黄丸・白花蛇舌草・玉屏風散などを体質に合わせて用います。
生活上の養生
男性不妊に対しましては、上記の通り漢方薬が効果的な場合が多いのですが、下記の養生と合わせて取り組んでいただくことによってさらに効果が高まりますので、是非心に留めておいて下さい。
.規則正しい生活をして、充分な睡眠時間を確保する。(腎精と腎気を護るため)
.適度に運動をして、上手に気分転換をする。(気血津液のめぐりを良くするため)
.油っこいものや辛いものをなるだけ控え目にする。(脾胃・肝胆・腎を護るため)
.アルコールとタバコを控え目にする。(肝腎・肺を護るため)
.新鮮な野菜を摂り、少し多めに水分を補給する。(津液を増やすため)
.和食中心で、腹八分目、鶏肉や魚のスープなどを適量に摂取する。(気血津液・腎精を作るため)
.性生活を節制する。(腎精を護るため)
.熱いお風呂を避け、ぬるま湯にする。(腎精を護るため)
.適度にやさしい日光をあびる。(全身の陽気と腎陽を高めるため)

                                       
                              レモンバーベナ         ローズウッド

⑥健康な赤ちゃんを授かるための養生法

ここでは、漢方医学的養生法日常生活での注意点(妊娠3ヶ月前からの生活術)の2つについて記してみます。

漢方医学的養生法
漢方医学では、まず妊娠しやすい体づくりを目指します。それは治療として行なわれるだけでなく、日々の養生として自ら実践することも可能です。今日から早速始められる簡単な養生法を紹介しましょう。
■”冷え”を改善するには■
あなたは手足が冷えやすかったり、冷房の部屋に居ると体調がおかしくなりませんか。漢方医学では、”冷え”は不妊の大きな原因と考え、実際に不妊の女性は冷え性の人が多いとも言われます。そこで、とにかく冷やさず、できるだけ温める、これも立派な養生法です。
・卵巣を温めるツボ~卵巣を温めるツボを「卵巣穴」と言います。ちょうど卵巣が位置している場所で、下腹部の左右に一つずつあります。卵巣穴の場所は、おへそから約9cm(指5本分)真下の場所から、左右に7cm(指4本分)離れたところです。ここをカイロやお灸で温めましょう。特に月経4日目から10日間は、卵胞の発育を促す目的で、毎日15分ほど温めるようにします。もともと冷え性の人なら、温めると気持ちよく感じるはずです。ただし、排卵が早く起こる人や、ほてりやのどの渇きがある人、あるいは低温期でも基礎体温が高い(36.7℃くらいある)人は、冷え性ではありませんから温めるのは逆効果です。
・食べ物で体を温める~冷たいものや余分な水分は、体を冷やしますから、なるだけ控えるようにしましょう。体を温める食べ物の代表には、しょうが・にんにく・にら・ねぎ・羊肉・鶏肉などがあります。野菜を摂る際は、生サラダよりも温野菜がおすすめです。
■血流を良くするには■
妊娠しにくい人は、特に下半身を中心に骨盤内の血液の流れが良くないことも多いようです。漢方医学では、このように血流が滞った状態を”瘀血(おけつ)”と呼びます。この”瘀血”を招く大きな原因が、”冷え”やストレスなのです。
・血流を良くするツボ~滞った血流を改善するツボの代表は、「血海」と「三陰交」です。血海は、膝の皿の内側から約5cm(指3本分)上がった場所。三陰交は、足の内側のくるぶしから約7cm(指4本分)上がった場所です。いずれも、冷えや月経痛など、女性特有の症状に効くツボです。1日3~4回、親指でグーッと押えてみましょう。
・ストレスを和らげる~漢方医学では、ストレスと「気」の流れは密接に関係していると考えています。そこで、気のめぐりを良くする簡単な方法として、香りの利用をおすすめします。例えば、香りの強いシソ・三つ葉・クレソンなどの香味野菜、あるいはミント・ペパーミント・ローズマリーなどのハーブには、気をめぐらせる働きがありますから、料理やハーブティーに活用するのもいいでしょう。アロマオイルにも、気をめぐらせたり・イライラや脳の興奮を鎮静させたり・情緒を安定させたり、さまざな効用がありますので利用してみましょう。高温期(黄体期)は、イライラしたり落ち込んだりして情緒不安定になりやすい時期ですので、”気の養生”を心掛けましょう。
日常生活の中での注意点(妊娠3ヶ月前からの生活術)
■胎内環境を良くしよう■
・タバコは赤ちゃんに危険~お母さんが喫煙していると、赤ちゃんは酸素と栄養が不足して、早産・流産・低体重・先天異常の危険性が高まります。これは、お母さんの体内の一酸化炭素濃度が高くなることと、ニコチンが主な原因。赤ちゃんに届く酸素の量は、ひどい時は20%も少なくなります。ニコチンは赤ちゃんの血管を収縮させるので、酸素や栄養を運ぶ血流が弱くなります。妊娠中に喫煙していた母親の子供には、◇乳児突然死症候群が2倍の確率で発生(呼吸をつかさどる脳が侵された可能性)、◇男の子の場合に暴力的・犯罪的な行為に走る傾向(中枢神経の損傷)、◇読解力・計算力が低い傾向、があります。タバコの煙の中には確認されている発ガン物質が約40種類含まれています。また、発ガン促進物質も約160種類含まれています。喫煙者が吸う主流煙よりも、タバコの先から立ちのぼる副流煙の方が、有害物質が多く含まれているものもあります。タバコを吸わない人も、タバコの煙を吸わないようにしましょう。
・妊娠の前に歯の手入れを済ませましょう~妊娠すると、歯が弱くなり、虫歯になりやすくなります。一般の本には、「妊娠したら早い時期に歯をチェック」とか「安定期に治療を」と書かれていますが、妊娠中は緊急の場合を除いて、歯の治療はしないのが原則です。レントゲンや麻酔、使える薬が限られるだけでなく、その他にも多くの歯科医が知らないまま、環境ホルモン作用のある素材を使っているからです。そろそろ子供が欲しいなと思ったら、歯のチェックをして、治療が終ってから妊娠を計画すようにしましょう。小さな虫歯なら、歯磨きをよくして何とか持たせ、授乳期が終ってから治療しましょう。普段から歯磨きで虫歯を予防することが一番大切です。
■いい食べ物とはどんなもの?■
・添加物を避けよう~表示を良く見て、合成保存料や合成着色料を使った食品を食べないようにしましょう。砂糖の摂りすぎはよくありませんが、合成甘味料に変えるのは止めましょう。また、ステビアは天然甘味料ですが、妊娠障害を起こすとの指摘もあるので避けましょう。
・農薬の減らし方~農薬が多く含まれる野菜は、セロリ・パセリ・シソなどで、平均すると葉物が多く、次が果物で、大根・人参・ゴボウなどの根菜類はごくわずかです。農薬は、洗うと1~3割減。ゆでたり過熱するなどの調理でさらに2~7割減、うまくすると8割くらい減ります。ポストハーベスト農薬は、国産の10倍~1万倍も残留します。柑橘類は輸入物よりミカンや夏ミカンを。オレンジジュースも控え目に。バナナはエクアドル産に農薬が多く残留しています。(※ポストハーベスト農薬とは、収穫後に用いる農薬のことで、穀物を虫から守る殺虫剤・果物の腐敗を防ぐ殺虫剤・果物のカビの発生を防ぐカビ防止剤・ジャガイモの発芽防止のための除草剤・レモンのヘタ落ち防止のための植物ホルモン剤、などがあります。日本では原則禁止されていますが、輸入品には広く使われています。発ガン性や環境ホルモン作用のあるものが多い。)
・ダイオキシンの少ない魚の選び方~魚の油脂には、胎児の脳の発達に必須のDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれています。栄養成分の豊富な魚をもっと食べましょう。ダイオキシンの汚染が心配ですが、安全な魚の選び方は、①ダイオキシンに汚染されやすい近海魚を避けて遠海魚を選ぶ ②脂肪が少ない ③年齢の若い ④草食の魚 を選ぶことです。キハダマグロ・クロマグロ・カツオ・サンマは、汚染度が低い遠海に住んでいますので安全性が高いと言えます。内湾や沿岸に生息するスズキや、沿岸の砂泥底に生息し、甲殻類や貝類などの底生生物をエサにしているイシモチは避けましょう。ハマチなど養殖魚も避けましょう。近海で育てられている上、エサや消毒で使用されている色々な薬品による汚染が心配です。
・ダイエットの時期に注意~有害物質は脂肪に蓄積します。将来、子供を持ちたいと思っている女性は、脂肪を摂り過ぎないようにしましょう。太っている女性は、妊娠前なら、運動をして脂肪を燃焼させることで、体内の有害物質を排出することができます。ただし、健康な赤ちゃんを産むには、痩せすぎはダメ。過度なダイエットは止めましょう。妊娠後や授乳中はダイエットを止めて、良質な脂肪を摂りましょう。脂肪を摂らないと、すでに蓄積された脂肪が分解して、有害物質が血液や母乳に入り、赤ちゃんに害を及ぼす可能性があります。
・水道水を使う時の注意~日本の水道水からは300種類の有害物質が検出されています。法令に定められた基準で検査され、規制されているのは50種類です。安全なはずの水にも、沢山の有害物質が含まれているのです。消毒するために加えられた塩素は、水の中に含まれている有機物と反応し、発ガン物質のトリハロメタン(クロロホルムをはじめとする4つの塩素化合物の総称)を作ります。さらに、水道管を流れる間に、本管の内側を塗装しているエポキシ樹脂や家庭の塩ビ管から、環境ホルモンのビスフェノールAが水の中に溶け出します。飲み水や煮炊きする水には浄水器を設置しましょう。温水になると、有害物質は揮発し、肺から体内に取り込まれます。お風呂やシャワー、炊事や洗濯の時などはよく換気を。妊婦はシャワーを使うことも多いから、できればシャワー用浄水器をつけるか、換気を充分にしましょう。
■妊娠しやすい体質づくり~食養生編■
妊娠しやすい体質づくりにおいては、食養生は大変重要です。以下の5つの原則を守って、妊娠しやすい体質をつくりましょう。
.朝食は軽めに。陽性食(体を温める食べ物)や温かい物を中心にしましょう。
.和食中心のメニューを多くして、よく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。
.肉や卵や乳製品などの動物性食品は、食事全体の2割以下にしましょう。
.陰性食(体を冷やす食べ物)を減らして、陽性食を多く摂りましょう。
.主食はできるだけ未精白の穀物にしましょう。
もう少し具体的に…
体を冷やす陰性食はできるだけ控えるようにしましょう→生物、冷たい飲食、お茶、コーヒー、牛乳、ビール、ウィスキー、白砂糖、クリーム、バター、肉の脂身、生野菜サラダ、南国の果物など
体を温める陽性食を中心に食べましょう→根菜類(ニンジン、ゴボウ、ヤマイモ、レンコン、かぼちゃなど)、発酵食品(納豆、味噌、しょうゆ、梅干し、漬物など)、色が黒い物(黒ゴマ、黒豆、ひじき、ワカメ、コンブ、海苔など)、薬味(生姜、ねぎ、玉ねぎ、にんにくなど)など
生の物や冷たい物の摂りすぎに注意しましょう。油物、極端に辛い物、白砂糖、化学調味料の摂りすぎも禁物です。主食は、玄米・胚芽米・雑穀などにして、豆・芋・野菜・魚をバランスよく摂り、肉や卵やファーストフードなどはできるだけ控えましょう。飲み物は、体を温める紅茶に生姜のしぼり汁を入れて、黒砂糖で味付けをした「生姜紅茶」をおすすめします。
上記の原則を守った上で、女性はエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を促進する作用のある大豆製品(味噌汁、豆腐、おから、ゆば、煮豆、大豆スープなど)、暖色で血液を養う作用のある食品(ニンジン、プルーン、海苔、黒ゴマ、生姜紅茶など)を多く摂りましょう。一方、男性は根菜類(根っこ物は下半身を強化します)や色が黒い物や粘る物を多く摂りましょう。例えば、ニンジン・ゴボウ・レンコン・ヤマイモ・黒ゴマ・黒豆などがあります。
■安全な生活環境をつくろう■
・食品容器やラップに気をつけて~プラスチック製品のほとんどは、熱を加えると有害物質が溶け出します。電子レンジなどで、熱をかけるのはやめましょう。塩素を含むプラスチックを燃やすと、ダイオキシンの原因になります。環境中にこれ以上ダイオキシンを増やさないために、ラップは塩化ビニール(塩ビ)製や塩化ビニリデン製を止めて、ポリエチレン製を使いましょう。無添加のポリエチレンラップなら、電子レンジで溶けても大丈夫です。
・アルミホイルやアルミ鍋は避けよう~アルミニウムがアルツハイマー病の原因ではないかと言われて久しいのですが、その疑惑は未だに灰色です。しかし、少なくとも妊娠中は避けた方が無難です。食品中や水に含まれる程度なら神経質になることはありませんが、アルミ製調理器具や、「ホイル焼き」に酢やレモンを使うのを止めることで、アルミニウムの摂取は大幅に減らすことができます。アルミ製鍋の代わりに、鉄製フライパン・ステンレスや耐熱ガラス・耐熱陶器製の鍋を使いましょう。
・住まいの空気は安全ですか?~私たちが飲んだり食べたりして体内に取り込まれた物質は、まず肝臓で分解代謝され、その毒性は弱められます。ところが、肺に入った物質は直接血液に取り込まれ、解毒されることなく、体内の器官へ運ばれてしまいます。成人は1日に15~20kgもの空気を吸います。この室内の空気が汚染されていたら、お腹の赤ちゃんに大きなダメージを与えかねません。建材や塗料には多種類の有害物資が含まれています。代表的なものがホルムアルデヒドです。合板や家具やクロス張りには欠かせない接着剤に含まれ、発ガン性の他、神経系への障害作用があります。また、蕁麻疹や気管支喘息を誘発させ、卵アレルギーをひどくさせます。新しい家やリフォームされた家(部屋)の空気にはさまざまな揮発性物質がいっぱいです。でも、古くなれば揮発してしまって安全になります。これから結婚する人や引越しを考えている人は、リフォームしていない古い住まいを探すと安全です。家を建てたい人やリフォームをしたい人は、健康住宅を手がけている建築士が書いた『健康な住まいを手に入れる本』(コモンズ)を参考にして下さい。シロアリ駆除はとても危険です。深刻な健康被害を被った人が少なくありません。有機リン系やピレスロイド系の殺虫剤が使用されていますが、いずれも薬剤成分は散布された床下から台所や室内へと流れ込み、家全体を汚染します。もしシロアリが発生して困ったら、天然薬剤のみで施工してくれる業者に頼みましょう。
・殺虫剤と防虫剤で室内は毒ガス室に~虫類を殺す薬品は、人体にも害を及ぼします。いかにも安全そうなCMにつられて使うと、家の中はたちまち有害物質が満ちて、デリケートな赤ちゃんはお腹の中で、悲鳴をあげることになります。蚊に弱い人は、蚊帳をつったり、天然系の蚊取り線香を少しだけ使って、換気してから部屋に入るようにしましょう。衣類の防虫剤も止めましょう。タンスの中で揮発した有害物質は、家中に満ちることがわかっています。子供だけでなく大人でも、頭痛・吐き気・皮膚炎などの中毒症状が出ます。トイレボールにも使われているパラジクロロベンゼン(パラ○○○剤として売られている)は、精子形態異常を引き起こし、臭わない防虫剤として売られているピレスロイド系のものも、環境ホルモン作用があります。防虫剤は使わず洋服を安全に保存する方法として、酸素をなくする防虫袋(虫バイバイ)があります。
・電磁波に気をつけよう~アメリカのデクン・リー博士によると、妊娠中に16ミリガウス以上の強い電磁波を毎日浴びていると、流産の危険性が2倍以上になり、特に10週以内の初期では6倍になります。16ミリガウス以上の電磁波を出す家電は、電磁調理器・電子レンジ・トースター・ミキサー・電気カーペット・電気毛布・電気マッサージ器・掃除機・ヘアドライヤー・パソコンなどが考えられます。電磁波の強さは機種によって大きく異なりますが、距離を離すほど急速に低減するので、電子レンジやオーブンレンジは、スイッチを入れたらすぐ1m以上離れることです。ドライヤーやマッサージ器など距離を離せないものは、妊娠中は我慢しましょう。電気カーペットは、電磁波99%カットのものが出てきていますので、新たに購入する時は、よく調べましょう。できれば簡易測定器(約1万円)を購入して、家電を測っておくと気持ちが楽になります。
・医者は環境ホルモンの影響を知らない場合が?~有害物質が胎児に与える影響について、十分認識をしている医療関係者は少数派です。特に、環境ホルモンの影響を知らない?場合が多いので、自分で気をつけるようにしましょう。
・妊娠中の薬の使用は慎重に~頭痛や風邪など軽い症状でも、市販の薬を自分の判断で服用するのは止めましょう。医者のかかる時も、必ず妊娠中であることを告げましょう。薬はできるだけ服用しないのが基本です。健康管理に十分注意しましょう。
胎盤は有害物質を通してしまう~胎盤は、母親の免疫細胞が胎児を異質なものとして認識して攻撃するのを防ぐためのものです。免疫細胞は遮断しますが、酸素や栄養素や大半の有害物質は自由に通します。胎盤を通って胎児に届くまでの過程で、毒性が高まってしまうこともあります。妊娠中は、有害物質に接する機会をできるだけ減らすことが大切です。 赤ちゃん・幼児は未発達の血液脳関門~血液脳関門は、有害物質が血液系を通して脳に侵入するのを防いでいます。ただし、この仕組みがキチンと働くようになるのは大人になってからです。胎児・乳児・幼児は、この機能が未発達なため、母体からの血液や母乳を通して有害物質が脳内に入ってしまい、脳の発達に影響を与えます。学習障害の原因にもなりと考えられますので、有害物質が体に入らないようにすることが重要です。
■医者へのかかり方■
・自然なお産をさせてくれる病院を選ぼう~生まれる日は、生まれる当人である赤ちゃんの都合で決めるのが一番です。計画分娩をするための、陣痛促進剤や子宮頸管をやわらかくする薬(マイリス)は使わないように希望しましょう。使い方によっては、母子ともに後遺症が残る危険性があります。マイリスは副腎ステロイドの一種なので、微量のホルモンの変化に敏感な胎児への影響が心配されます。検査や処置をキチンと説明してくれて、相談ができる医者を選びましょう。
・レントゲンは特に注意を~胎児がX線を浴びてしまうと、死亡や奇形の原因になります。妊娠中はもちろん、妊娠している可能性がある場合も、レントゲンは断りましょう。
・生まれてからでも遅くない~子供を守り、発達を促すための努力は早すぎることはないのですが、いつからでも気が付いた時に始めることが大切です。子供が有害物質の影響をすでに受けてしまったとしても、それから回復して健全な発達を続けるために、少しでも良い環境を整えましょう。何歳になっても、良い環境は与えられます。有害物質が特に心配なのは、脳への影響です。脳の柔軟な2歳までに、脳の発達を促す刺激を与え、たっぷり愛情を注げば、生まれた後でもすこやかに回復させることができます。土や植物や生き物と接する環境をつくるなど実体験をさせれば、脳の回路をたくさんつくれるので、スキンシップを十分に、そして愛情豊かに育ててあげましょう。

                      
       ユーカリ(グロブルス)   ユーカリ(ラディアータ)

⑦妊娠中と産後の養生法

ここでは、妊娠中の胎児の発達過程妊娠中と産後の養生法の2つについて記してみます。

妊娠中の胎児の発達過程
■妊娠40週間の胎児の様子について■
お腹の中の胎児は、目を見張るスピードで成長しています。その成長に重要な役割を果たしているのがホルモンです。有害物質がこの時期に体内に入り、このホルモンの働きがかく乱されると(環境ホルモン様作用)、障害が起きたりします。お母さんが、少しでも有害物質への暴露を避けることで、赤ちゃんへの負担が少なくなります。
第3・第4週~1個の精子が卵子の中の入って受精します。受精卵は分裂し、着床すると、子宮との血液循環が胎盤経由で確立されます。羊膜がつくられます。4~8週間に、遺伝子は臓器の基本的な形をつくるよう指示します。この過程で有害物質の影響を受けてしまうと、障害をもって生まれてくる可能性が高くなります。
第5週~主な器官が形成され始めます。心臓血管系と最初の血球と原始心臓が形成され、血液の循環が始まります。筋肉や骨になる細胞と脳と脊椎の元になる神経管がつくられます。5~11週まで目と耳が発達します。
第6週~消化系、腕と脚の原基、肝臓、胆のう、胃、腸、甲状腺、すい臓、肺など主な器官や構造が発達します。アゴの元となる部分も姿を見せます。仮の腎臓も機能し始めます。神経管が閉じて脊柱となります。母体にカルシウム、タンパク質、亜鉛、葉酸が不足していたり、有害物質に触れたりすると、二分脊椎などの神経管異常をもたらすことがあります。6~10週まで目の水晶体が発達します。
第7週~口、鼻孔、食道が形成され始めます。心臓の主な弁が完成します。腕と原始的な手が現われます。ちゃんとした腎臓が仮の腎臓に代わって働き始めます。脳が機能し始めます。下垂体が形成されます。脳に毛細血管が発生し、血液脳関門ができ始めます。
第8週~脚の原基や水かきのような指が現われ、目の筋肉、外耳、上唇、咽頭、気管、気管支、腸が成長します。ひじ、手首、ひざ、足首など関節部が形成されます。乳歯、口蓋、顔の筋肉ができます。筋肉の収縮が始まり横隔膜が現われます。心臓が4つの部屋に分かれます。脳細胞が各分野に専門化します。嗅覚をつかさどる嗅葉や下垂体が機能し始めます。
第9週~外性器、内性器(男の子は精巣、女の子は卵巣)、乳首が形成されます。四肢および指が成長し分化します。ひじが機能します。軟骨、結合組織、骨(10代後半まで成長し続けます)、まぶた、鼻、舌、内耳の半規管が現われます。網膜の神経細胞が発達します。脳波が出現し、外から触ると反応して、胎児は頭や上半身を曲げたりします。
第10週~全ての器官が発生し、赤ちゃんはすでに小さい人間の形になります。外耳、味覚芽、口蓋、女性の陰核と男性の陰嚢が発達過程で、脳の中ではすべての神経芽細胞(神経細胞のもととなるもの)が姿をあらわし、情動をつかさどる大脳辺縁系も発達し始めます。
第14週~主な器官はそれぞれの位置に落ち着きます。細胞は定められた場所に移動を終え、分化し、機能を果たし始めます。外性器の発達が続きます。神経細胞を髄鞘(ずいしょう)でつつむ作業が始まります。大脳皮質に溝ができ始めます。海馬が形成されます。性ホルモンが活発になります。第14週~26週にかけて、脳は性ホルモンを感じ取るようになります。第14週~21週にかけて、男の子は男性ホルモンに対して反応することを学びます。女の子の場合は周期的なホルモンの分泌パターンが確立します。性的指向が決定づけられます。
第18週~男の子は陰嚢が形成されます。まゆ毛と毛髪は生え始めます。基本的な感覚が発達し、機能し始めます。運動機能が備わります。
第22週~中耳、神経細胞、運動機能が発達します。髄鞘が神経の軸索(じくさく)を覆って伝達の効率がよくなります。神経線維の束が発達します。男の子の場合、男性ホルモンに対する脳のメカニズムが引き続き発達し、男性的行動を身に付け、思春期になってからの男性的外見を決定づけるプログラムが組み込まれます。女の子の場合、子宮とバギナが分かれ、女性的な性的パターンが発達します。
第26週~皮膚腺およびリンパ節が発生します。6ヶ月の終わりには中枢神経系の神経細胞がほとんど形成されます。小脳の発達が始まり、2歳前後まで続きます。視床が発達し始めます。
第30週~骨が急速に成長します。睾丸が陰嚢に下降し、まぶたが開きます。大脳皮質のシワが増えます。大脳皮質の前頭葉および頭頂葉が、情動を左右する辺縁系とつながります。脳の構造の急速な成長と分化と配置が続きます。
第34週~胎児の体も器官も大きくなり、機能も精巧になります。
第38週~骨格を形成する準備ができます。脳は引き続き急速に成長し、神経細胞のつながりは急増します。
誕生~誕生後も、体と脳の成長は続きます。成人になっても、良い影響を与えたり、学習をし続けることで、脳の細胞はつくられ続けます。
妊娠中と産後の養生法
■妊娠中の胎児の変化について■
①妊娠初期(0ヶ月~4ヶ月=0週~11週)→この時期は受精卵が細胞分裂を繰り返し、胎児を形成する時期です。各種の化学物質やタバコ、アルコールなどの害が出やすい時期ですので気をつけましょう。また、流産を防止することが最重要です。
 4週~6週:胎嚢(たいのう)が確認できます。
 7週~8週:心音が確認できます。まずは一安心です。
 8週~9週:胎嚢が胎児となり、尾も消えていきます。
②妊娠中期(5ヶ月~7ヶ月=12週~27週)→この時期は安定期です。母親の愛情が胎児に影響しますので、精神の安定を心掛けましょう。また、適度な運動も行い、体重が増えすぎないように注意しましょう。胎教もよいと思います。
 16週~19週:胎児が羊水の中で泳ぎ、手足が子宮にあたる事があります。
 20週~23週:胎児が子宮の中で活発に泳ぎ、胎動を感じることがあります。
③妊娠後期(8ヶ月~10ヶ月=28週~39週)→この時期は出産の準備をする時期です。体調管理に気をつけて、出産の心構えをしましょう。同時に産後の過ごし方や体調管理も考えましょう。
 28週~31週:赤ちゃんらしい体形になり、脳も発達してきます。
 32週~35週:体の器官がほぼ完成します。
■妊娠中の健康管理に役立つ漢方薬と健康食品について■
①流産の防止→妊娠初期は流産の防止が最重要になります。特に心音が確認できる7~8週目までは、妊娠を安定させる漢方薬の服用が望ましいと思います。
 基本的な漢方薬:紫蘇和気飲、双料参茸丸、寿胎丸、婦宝当帰膠、桑寄生、続断、マカ、胎盤エキスなど
 習慣性流産   :基本的な漢方薬プラス益気聡明湯など
 不正出血     :芎帰膠艾湯、田七人参など
※上記の漢方薬類を体質に合わせて服用することによって妊娠を安定させ、ある程度(切迫)流産を防止することが可能になります。ただし、子宮外妊娠や胞状奇胎など一部の特殊な状況に対しましては、漢方薬での治療は困難です。
②つわり(妊娠悪阻)→つわりは妊娠初期によくみられる辛い症状で、個人差がありますが、ひどい人は吐き気や嘔吐で食欲もなくなります。漢方薬の服用が可能でしたら、予防と改善が十分に期待できますので、体質と症状に合わせて用いるとよいでしょう。ひね生姜をすったもので漢方薬を服用すると、より効果が高まります。嘔吐がひどくて脱水の可能性がある時は、増液湯という漢方薬が適しています。
 症状が軽い人:香蘇散、小半夏加茯苓湯、香砂六君子湯、人参湯など
 症状が重い人:黄連蘇葉湯、抑肝散加陳皮半夏など
③カルシウムの補充と骨粗鬆症の予防→妊娠中はカルシウムの消耗が激しいため、カルシウムは普段の1.5倍多く摂る必要があります。カルシウムが不足すると、産後の骨折や将来の骨粗鬆症が起こりやすくなります。また、妊娠中毒や浮腫の原因にもなります。
 おすすめの商品:ウチダの新カイホーイオン化カルシウム(天然ミネラルを含んだ牡蠣殻を原料に、特殊製法によってイオン化に成功したカルシウムで、吸収性に優れたイオン化カルシウムです。)
④貧血の防止とビタミンやミネラルの補給→妊娠中は胎児に鉄分を取られるため、鉄分は普段の1.7倍多く摂る必要があります。鉄分不足では疲れやすくなったり、めまいや動悸の原因になります。また、未熟児や抵体重児の原因になるという報告もあります。鉄分の吸収をよくして体調を管理するためには、各種のビタミンやミネラルもバランスよく摂ることが大切になります。
 おすすめの商品:ユアラーゼ(野草野菜発酵酵素原液)、ビイレバーキング(牛レバー濃縮エキス)、ササヘルス(クマザサ濃縮エキス)、婦宝当帰膠(当帰が主成分の漢方補血製剤)
⑤便秘の改善→妊娠中にお腹が大きくなると、腸が圧迫されて便秘傾向になりがちです。元々便秘の方は、さらに便秘がひどくなる場合が多くみられます。妊娠初期に下剤(便秘薬)を用いると、流産の原因になることがありますので、便秘対策は慎重に行なう必要があります。
 軽い便秘の場合 :食物繊維製剤や乳酸菌製剤で間に合う人が多いようです。食物繊維製剤ではイサゴールプラス(サイリウム種皮に生きた乳酸菌を配合)が、乳酸菌製剤ではラクティス(豆乳で発酵させた乳酸菌生成エキス)が、それぞれおすすめ商品です。
 ひどい便秘の場合:食物繊維製剤や乳酸菌製剤にプラスして、漢方薬の麻子仁丸や潤腸湯、あるいは何首烏が原料の生薬製剤を少量から使用してみることをおすすめしています。
■妊娠中の食事や生活について■
①食事について妊娠中は食生活が特に重要です。上記のようにカルシウムや鉄分を十分に補給して、かつバランスのよい食事をすることが大切です。また、食物繊維の多い食品もたくさん摂るように心がけましょう。
 
摂りたい食品:未精白の穀物(玄米、五分米、胚芽米、麦飯、雑穀など)、各種野菜(ニンジン、かぼちゃ、小松菜、チンゲン菜、大根の根、ホウレン草、レンコンなど)、大豆製品(豆腐、納豆、がんもどき、厚揚げ、味噌汁など)、魚介海藻(イワシ、ししゃも、桜エビ、のり、ひじき、昆布、ワカメ、もずく、ハマグリ、シジミなど)、その他(しいたけ、黒豆、黒ゴマ、レバー、チーズなど)
 避けたい食品:生の物、冷たい物、動物性の脂(肉の脂身、ラード、卵、バター、ラーメン、ファーストフードなど)、白砂糖の多い物(ケーキ、クッキー、チョコレート、お菓子など)、辛すぎる物(唐辛子、キムチ、エスニック料理など)
②日常生活について→体重の増加には注意しましょう。一般には妊娠中でも7~11㎏の範囲の増加に抑えるようにしましょう。太り気味の方は7㎏位を、痩せ気味の方は11㎏位の増加を目安にするとよいと言われています。無理なダイエットはせずに、栄養バランスのとれた食事と散歩などの軽い運動で体重をコントロールしましょう。

■産後の養生と漢方薬について■
産後の養生は大変重要です。産後の養生が悪いと、将来の病気につながったり、次の妊娠にマイナスの影響を及ぼしたりします。中国では昔から、お産は病気ではないが、女性にとっては大きな負担がかかるので、産後100日は母子共に外出を控え、栄養を十分に摂り、保温に努め、体と共に子宮の回復をはかるという考え方があり、一人っ子政策を実施している現在も変わりません。日本では職場復帰を急ぐ傾向がありますが、少なくとも産後8週間は職場復帰は避けた方が望ましいと思われます。漢方薬を上手に利用して、産後の回復を早めるようにしましょう。
①悪露について→悪露は、産後7~10日経過すると赤色から茶褐色になり、量も段々減ってきます。一般に産後4週から6週のうちになくなります。漢方薬は、悪露をスムーズに減らして子宮の回復を助けます。
 基本的な漢方薬:折衝飲、芎帰調血飲第一加減など
 出血が酷い場合:基本的な漢方薬プラス田七人参など
②貧血と体力気力の低下について→出産はかなりの出血と体力の消耗を伴いますので、産後は十分な鉄分の補給と休養と保温が必要になります。漢方薬は、貧血予防あるいは治療、体力気力の回復に効果的です。
 基本的な漢方薬:婦宝当帰膠、十全大補湯、人参養栄湯、加味帰脾湯、左記漢方薬プラス胎盤エキスなど
③母乳分泌不足→漢方医学では、母乳は血液の余りと考えています。体内の血液が不足すると、母乳が溜まりにくく分泌も悪くなります。一方、母乳が十分に溜まっていても、乳腺の通りが悪くて胸が張ってうまく出ないことがあります。
 血液不足(あまり胸が張らないことが多い)の場合:通乳丹、婦宝当帰膠加胎盤エキス、補中益気湯合四物湯、人参養栄湯、十全大補湯など
 乳腺の通りが悪く胸が張ってうまく出ない場合   :下乳涌泉散、加味逍遥散(合十全大補湯とするとより良い場合が多い)、逍遥散加胎盤エキス、逍遥散合開気丸加王不留行、小柴胡湯(逍遥散)合葛根湯など
■乳児アレルギーの予防■
乳児を母乳で育てる場合は、母乳が唯一の栄養源になるため、母親の食生活が悪いと乳児アレルギーの原因となります。また、昔は出産後すぐにマクリ(黄連1g、紅花1g、大黄1g、甘草1g)を服ませて胎毒下しをしていましたが、この習慣がなくなったことも乳児アレルギーの原因になっていると言われています。正しい食生活が重要になりますので、栄養バランスを整え、特にビタミンやミネラル、乳酸菌や酵素などを適量補給することも考えるとよいと思います。食生活については、上記妊娠中の食事に準じてください。

                 

⑧赤ちゃん誕生の実例集

最近2~3年、本格的に中医学を用いた「弁証論治」と「周期療法」を組み合わせた不妊症「漢方周期療法」を行なうようになり、妊娠される方の数がかなり増えてきました。妊娠に至らない原因は、男性女性共に本当に様々です。お一人お一人の体質や状況に合わせた漢方薬を用いることによって、本来備わっている妊娠に必要な体の力を高め、妊娠の妨げになっている体質を改善することが何よりも大切です。以下に漢方百草園薬局で漢方薬を服用されて、めでたく妊娠された方の実例を紹介いたします。
また、漢方薬で妊娠力を高めながら、併行して病院(不妊専門クリニックなど)治療に取り組むことはとても効果的な方法です。実例の下段に、漢方百草園薬局で漢方薬を服用されているお客様が通院しておられる施設名を記しておきます。技術力のある信頼できる施設です。大切なことは、医師との信頼関係と相性だと思います。

 実例(1) 結婚2年、5回の人工授精と不育症を乗り越えて無事出産
Mさんは35歳の女性で、妊娠の経験はありません。1年前から産婦人科に通院し、タイミング法から始めて、クロミッドとhMG-hCG療法で人工授精を4回行なったが妊娠にいたらず。漢方薬で妊娠しやすい体に体質改善したいと来店されました。西洋医学的には決定的な原因は無いとのこと。月経周期が27~28日と安定していることから「漢方周期療法」を行なうことにしました。月経量は多い方、月経の質は正常、月経色は暗紅色で大小の血塊が多い、月経痛は月経開始1日前から月経開始2日目まで中程度の下腹部痛と腰痛。全体的に体温が低いことと冷え性がひどいことから、基礎薬として全周期に血液を増やしながら体を温める婦宝当帰膠を服用していただくことにしました。さらに、月経期には月経血をきれいに排泄するために折衝飲と田七人参、低温期には子宮内膜を厚くして卵子の質を良くする滋陰養血湯加減方と胎盤エキス、排卵期には体温をスムーズに上げるために参茸補血丸と冠元顆粒、高温期には高温を維持して着床状態をよくするために参茸補血丸と海馬補腎丸、などを中心にその都度体調と基礎体温を見ながら漢方薬などを服用していただきました。その後、人工授精を1回試みましたがうまくいかず。ホルモン療法を2ヶ月休んで、体外受精に進むことに。漢方薬はそのまま継続され、1回目の体外受精で妊娠されました。が、胎児が順調に成育しにくい抗リン脂質抗体という病気であることがわかり、アスピリンと安胎の漢方薬(柴苓湯、鹿茸大補湯、紫蘇和気飲、双料参茸丸など)を服用することでうまく乗り越え、無事3300gの男児を出産されました。ご主人の精子の状況は、運動率が少し良くない程度でしたので特に何も漢方薬をおすすめしませんでした。毎回お二人揃って来店され、ご主人の奥様への思いやりがとても微笑ましいご夫婦でした。
 実例(2) 結婚3年、高プロラクチン血症、2度目の妊娠で無事女児を出産
Yさんは31歳の女性で、妊娠の経験はありません。初回来店時、産婦人科には通院しておられず、漢方薬で体質改善をして、できれば自然妊娠を目指したいとの希望をもっておられました。月経周期が28~33日でやや遅れ気味、高温期が10日前後とやや短かめ、低温期から高温期への移行が不安定、低温期の平均体温が36度前後とやや低め、月経7日位前からイライラが激しく乳房の脹痛がひどい、といった状況で「漢方周期療法」を行なうことにしました。月経期には月経血をきれいに排泄するために少腹逐瘀湯加減方、低温期には子宮内膜を厚くして卵子の質を良くする杞菊地黄丸と参馬補腎丸とマカ末、排卵期には体温をスムーズに上げるために参茸補血丸と冠元顆粒、高温期には高温を維持して着床状態をよくするために参茸補血丸と至宝三鞭丸、などを中心にその都度体調と基礎体温を見ながら漢方薬などを服用していただきました。その後、産婦人科で検査を受けてもらった結果、右卵管が閉塞気味、プロラクチンの値が高い(正常値が15ng/mlのところ36ng/m)、ということが判明。月経期以外に、炒麦芽エキスを追加してもらいました。するとその後、基礎体温の波動が安定し、PMS症状も改善され、3周期で妊娠されましたが、6週と5日で稽留流産。流産の手当てを2ヶ月間した後、体調と体温表をみながら、「漢方周期療法」を再開。わずか2周期で自然妊娠。安胎の漢方薬(紫蘇和気飲、双料参茸丸、婦宝当帰膠など)を24週まで服用され、無事女児を出産されました。ご主人は、乏精子症(精子濃度2000万/ml)ぎりぎりだったので、参馬補腎丸と人参養栄湯を服用していただきました。
 実例(3) 結婚7年、第二子不妊、漢方薬服用後一周期半で自然妊娠
Sさんは32歳の女性で、第一子はホルモン療法で授かった。高校生の時から、自力での月経は年2~4回しか起こらず、ホルモン剤で月経を起こし続けている。現在も不妊専門のクリニックへ通院中で、子宮内膜が薄いことと、排卵はしているが卵子の発育が良くない、と医師から言われている。人工授精を5回受けたが、妊娠に至らず。冷え性、貧血気味、胃腸が弱く便秘症、毎年花粉症あり。月経周期は25~32日、月経色はやや黒っぽい、月経質は粘稠、基礎体温は全体的にやや低め、といった状況で、しばらくクリニックでのホルモン療法を休むことにし、妊娠しやすい体質づくりを目的に「漢方周期療法」を行なうことにしました。全周期に血液を増やしながら体を温める婦宝当帰膠、月経期には月経血をきれいに排泄するために冠元顆粒と芎帰調血飲第一加減、低温期には子宮内膜を厚くして卵子の質を良くする杞菊地黄丸と胎盤エキス、排卵期には体温をスムーズに上げるために参茸補血丸と冠元顆粒、高温期には高温を維持して着床状態をよくするために参茸補血丸、などを中心に服用していただきました。服用開始後から1周期半(48日目)で自然妊娠の報告を受け、その後、安胎の漢方薬(婦宝当帰膠と紫蘇和気飲)を妊娠6ヶ月まで服用され、無事出産されました。Sさん同様、「漢方周期療法」をおすすめした薬局としても、あまりに短期間での自然妊娠にびっくりした記憶があります。
 実例(4) 結婚2年、第二子不妊、第一子出産後に2度の流産、無事男児を出産
Mさんは34歳の女性で、8歳になる子供さんがおられます。二人目を希望してから3年余りの間に2度の流産。半年前から婦人科に通院し始めて、タイミング療法と併行して、セキソビットやhCGなどで治療をされています。漢方薬での不妊治療を希望して来店されました。西洋医学的には決定的な原因は無いとのこと。月経周期が27~32日とまあまあ安定していることから「漢方周期療法」を行なうことにしました。月経量は年々少なくなってきている、月経の質は正常、大小の血塊が多い、月経痛はほとんど無し。自然の状態では、卵胞の発育が少し悪いとのこと。全体的に体温が低い、低温期から高温期への移行に日数がかかる、高温期が短め。性格は明るく、とても穏やかな感じ。基礎薬として、月経期以外に気血を増やしながら体を温める胎盤エキスを服用していただくことにしました。さらに、月経期には月経血をきれいに排泄するために温経湯、低温期には子宮内膜を厚くして卵子の質を良くする滋陰養血湯加減方と参馬補腎丸と活血丸、排卵期には体温をスムーズに上げるために参茸補血丸と冠元顆粒、高温期には高温を維持して着床状態をよくするために至宝三鞭丸と参茸補血丸、などを中心にその都度体調と基礎体温を見ながら漢方薬などを服用していただきました。その後、人工授精を2回試みましたがうまくいかず。ホルモン療法を2ヶ月休んで、「漢方周期療法」を開始してから5週期目に自然妊娠されました。安胎の漢方薬(紫蘇和気飲、婦宝当帰膠など)を安定期まで服用され、無事3150gの男児を出産されました。産後の疲労感と目の疲れが辛い、というお話しから、今は杞菊地黄丸とビイレバーキングを服用されています。上のお嬢ちゃんがとても可愛がってくれるそうです。
 実例(5)
 実例(6)
 実例(7)
 実例(8)
 実例(9)
 実例(10)

 □大阪府大阪市中央区日本橋          假野クリニック
 □大阪府吹田市豊津町               藤野婦人科クリニック
 □大阪府東大阪市長田中             IVF大阪クリニック
 □大阪府大阪市西区南堀江            IVFなんばクリニック
 □大阪府堺市堺区新町               いしかわクリニック
 □大阪府大阪市住吉区長居東          岡本クリニック
 □大阪府大阪市北区角田町            越田クリニック
 □大阪府大阪市北区神山町            扇町レディースクリニック
 □大阪府大阪市天王寺区南河堀町       おおつかレディースクリニック
 □大阪府大阪市生野区新今里          都竹産婦人科医院
 □大阪府和泉市府中町               府中のぞみクリニック
 □大阪府大阪市中央区備後町          西川婦人科内科クリニック
 □大阪府大阪市西成区玉出西          オーク住吉産婦人科
 □大阪府堺市戎島町                ルナレディースクリニック

▲このページのTOPに戻る

漢方百草園薬局 (かんぽうひゃくそうえんやっきょく)
国際中医師の薬局<漢方百草園薬局> http://www.100souen.co.jp
当サイトはリンクフリーです。
リンク頂ける場合は左のバナーをご利用ください。
〒583-0027 大阪府藤井寺市岡2-8-9
フリーダイヤルフリーダイヤル 0120-56-1328
TEL&FAX 072-955-1328
運営統括者 岡田 圭司

             Copyright (C) 2003 Kanpou Hyakusouen Pharmacy All rights reserved.
フッターイメージ